The Silent Divide by ANTERIOR

他所様のレビューサイトをのぞいてみると、「ブラックメタルはEMPERORくらいしか聴けない」とか「メタルコアを聴くならAT THE GATESのアレを聴く」等、「××を聴くくらいだったら○○を聴く」といった発言を目にすることがある。

まぁメタルコア云々については同意しなくもないが、いかがなものかと思う。



いつもくそっくらえなレビュー内で「この音は彼等にしかだせない」とか「ちょっと聴いただけですぐ○○とわかる」とのたまってるふぁじーも、プロダクションちょっといじって音を変えられれば瓜二つの音楽性をやっているバンドを確実に聴き分ける自信なんて絶対にない。

極端なことを言ってしまうと、ヘヴィなメタルのバンドは世界各国に星の数より多くあれど(同ジャンル内に限って言えば)よっぽど突飛なことをやっていない限り、質の違いはあれど基本的には何を聴いたって同じである。

ただでさえ異ジャンルの融合が活発な昨今のメタルシーンにおいては言うまでも無いであろう。ジャンルの垣根を越えて活動しているバンドは、メタルのシーンでももう珍しくは無い。

バンドのテクニックも当然昔より格段に進歩してきているはずだ。誰にも成し得ないと思われていた最高クラスのバンドの演奏、サウンドが再現不可能であるとはできないとは決して言えない。こと、ふぁじーがメタルを聴く時に重きを置いているドラムに関しては技術的なものはもはや限界に達していて、現存するスーパードラマー達を超えるほどの卓越した技術を持つ者は現れないのではないかとさえ言われている。





あまり関係ないけど、もう少しヤバいこと言ってしまおうか。

ふぁじーが最近ブラックメタルと言われるジャンルから離れ気味な理由はここにある。ブラックメタルはデスメタルに比べて保守的なジャンルであるという意見は多くの人が目にしたことがあるであろう。

おっしゃるとおり。ブラックメタルは音楽性の広がり、可能性、未来が遥かに狭く、小さいのだ。

彼らには"新しいことをやろう"、"もっとすごいことをやってやろう"、といった気迫、観念みたいなものがあまり感じられない。というとちょっと極端すぎるので、感じられるバンドがほとんどいないと言おうか。

伝統を守っていると言えば響きはいいが、それではただの化石である。"歴史"という、スピーカー、イヤフォンからは伝わってこない価値以外、何もありはしない。トレモロリフと甲高い絶叫を繰り返しているだけで何の進化も果たしていないのだ。

よしんば"新しいことをやろう"といってやってできたのも、MAYHEMの"Grand Declatation of War"等のインダストリアル・テクノ要素の混じった訳のわからない代物、SATYRICONの"Revel Extravaganza"以降の(特に"Volcano"や"Now Diabolical"がそうだと思う)デス声ハードロックみたいな何を考えているのかさっぱりわからない音楽であった。



とまぁ、後半のブラックメタルの話は笑い話程度に聞いてもらうとして、これらの発言はタブーに近いような気がするが、メタルを聴く人ならば誰もが少なからずはそういう考えをもっているはずである。

先ほど例にあげたAT THE GATESのかの有名な"Slaughter of the Soul"はデスメタルの歴史を見ても他に類を見ないほど、最高峰に位置しているアルバムであろう(この際、個人の好み云々ジャンル云々は置いておく)。他の似たようなアルバムを聴いてもショボく聴こえるという意見には大いに納得できなくもない。




では、何故?



メタルミュージックに限らず、何故かように、様々なジャンル、バンド、ミュージシャンのアルバムを飽くことなく買い集め、愛聴している人が世界中に数多く存在しているのか。



"可能性"を求めているからである。



「こいつらならトンでもなく格好いい音を作り出してくれる」

「このバンドならきっと自分の満足の行く音を出してくれるはずだ」

「今はこのバンドがかっこいいと思うが、もっとかっこいいバンドがいるはずだ」

そういうものを追い求めて、ふぁじーを含め、幾千幾億に及ぶ人々がCDショップや中古ショップ、はたまたmyspaceやバンドのオフィシャルサイト、個人ブログといったウェブを日夜巡回しているのである。



自分を具体例にあげよう。

KALMAHの"The Black Waltz"は依然としてふぁじーの中でナンバーワンに輝いているアルバムである。

ぶっちゃけると、同じくらい好きなバンドであるMESHUGGAHの"Chaosphere"と"ObZen"でさえ足元にも及ばない。

KALMAHに近いジャンルのアルバムではSOIL WORKの"The Chainheart Machine"やMORS PRINSIPIUM ESTの"The Unborn"、DARK TRANQUILLUTYの"Fiction"、THE FORSAKENの"Manifest of Hate"等が挙げられる。が、それでもこのアルバムは見えないくらい遠い位置にある。

メロデスというジャンルにこだわらずともふぁじーが"ヘヴィなメタル"に求める数々の要素と、このアルバムからにじみ出るオーラは、天文学的に高いレベルで合致している。まさに奇跡のような存在だ。

これを超えるアルバムは、ハッキリ言ってしまうと現れないというよりも、現れて欲しくない。ふぁじーは"The Black Waltz"を生涯のナンバーワンと信じて、この先を生き、そして死んでいきたい。




しかし、めんどくさがりでいい加減なふぁじーが"可能性を追い求める"なんて言葉を吐くのはお笑い以外なにものでもないが、相も変わらずメロデスを求めていろいろな情報を探し回っている。

"The Black Waltz"の王座を揺るがし、蹴落とし、奪い取る存在をどこかで期待しているのかもしれない。それは自分でもよくわからない。



結論。

「○○が最高だ。だからこれ以外聴かない。聴けない」と断言している人達。本心はもしかしたらそうじゃないのかもしれないけど、それは非常にもったいないことでありますよ。

せっかく星の数ほどバンドがあるんだから、少しくらい…まぁ、金も時間も削るところまで削られた感のある現代社会ですが、好きなバンド探しくらい、がんばってみてはどうでしょうか。






もう何人かはわかってると思いますがふぁじーはいっつもこんな調子でテキトーなことばっかり言うので、哀れみつつも微笑みながらこの記事を読んでください。てへ。
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Commented by hayaさん at 2009-11-24 00:03 x
僕も、ここ5年間はブラックメタルのいいアルバムがあまり出てない気がします。ブラックメタルを「ブラストビート + トレモロリフ + ああいうヴォーカル」って定義してしまうと、そういったアルバムは良いものが出尽くしってしまったのかも?だから、そういうのにとらわれずに発掘するのが楽しいですねw
Commented by final-resistance at 2009-11-24 17:53
>haya様
ブラックメタルが化石化しているのは、EMPERORとMAYHEMが、誰もがそれを理想にかかげる(=真似したがる)ほどの、あまりにも完璧すぎるアルバムをものすごい初期に出てしまったからです。

あのスタイルがかなり早くから定着してしまったがために、もっと自由奔放だったデスメタルと比べると進化が遅くなっているのだと思います。
by final-resistance | 2009-11-22 02:24 | Comments(2)

一生一緒にデスメタル。


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